リレー随想
先号   次号

PMシンポとPMBOK

企画委員 佐藤 恭一 [プロフィール] :5月号

 「PMBOKを解っているという方は読まないで下さい」という書き出しにしようと思いましたが、その反対の「PMBOKを解っているという方も読んで下さい」ということにします。PMBOKの解り方は、人によって異なるかもしれないと思ったからです。このシンポ便りを読まれた後で、「どうも俺の理解とは違うなー」という方、「お前の理解で良いだろう」という方は、機会がありましたらコメントを下されば幸甚に存じます。
 PMBOKには、「立ち上げ」、「計画」「実行」「監視・コントロール」「終結」の五つのプロセス群がありますが、PMシンポ・プロジェクトはPMシンポジウムを開催するためのプロジェクトですから、やはり五つのプロセス群があります。昨年(2010年)11月5日にキックオフ・ミーティングが行われましたが、これはプロジェクトの「立ち上げ」プロセスです。以降、月2回の頻度で企画会議を行っていますが、これらは「計画」プロセスに該当します。今年(2011年)の9月8日、9日にシンポジウムが開催される予定ですが、これが「実行」のプロセスになります。シンポジウム開催が終了しても、プロジェクトは終わりではありません。プロジェクトを通じての反省項目や良かった項目等をPMAJのプロセス資産として残し、或いはそれまでの資産を更新して初めてプロジェクトは「終結」します。「監視・コントロール」のプロセスは、立ち上げから終結までを文字通り、監視しながらコントロールするプロセスです。
 プロジェクトを成功裏に完了するためにプロジェクトマネジメントが必要となります。PMBOKには九つの知識エリアがあり、上記、五つのプロセス群(合計42のプロセス)が、各知識エリアにが割り振られています。プロジェクトマネジメントとは42のプロジェクトマネジメント・プロセスを適切に適用してプロジェクトを成功に導くことです。PMシンポ・プロジェクトでは42のプロセスを全て適用しているわけではなく、ごく一部のプロセスのみを適用していると思います。これは、「42のプロセスを全てのプロジェクトに適用すべき」ではなく、「プロジェクトに応じて必要なプロセスのみを適用すべき」と言っているPMBOKの考え方にも合致していると思います。
 今年のPMシンポが終了したら、翌年のPMシンポ・プロジェクトが立ち上げられます。毎年繰り返し行われるのだから、プロジェクトという独自性は無いのではないかと疑問を持たれる方がいるかも知れません。しかし、シンポのテーマが違う、メンバーも異なるというように、似てはいるものの多くの異なる点、所謂独自性があり、且つ始まりと終わりがあるということからやっぱりプロジェクトなのです。
 PMBOKを解っている方、これから勉強してみようという方、PMBOKなどどうでもいいやという方、どなたでもPMシンポ・プロジェクトに参加して、プロジェクトの遂行に関わってみませんか? 業界や年齢、性別を超えてプロジェクト・メンバーが一丸となり、シンポ開催に向けて邁進して行きます。そして、多くのメンバーとの出会いがあり、PMシンポ・プロジェクトの経験は人生に彩りを与えるのではないかと思います。
ページトップに戻る