メッセージ
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2011年度開始にあたり

理事長 田中 弘 [プロフィール] :4月号

この度の東日本大地震により亡くなられた方々に心から哀悼の意を表します。
また、被災された方々・企業様に心よりお見舞い申し上げます。
 現在PMAJは、この国難のなかで、国や社会が定めた復旧に資する施策に従いながら粛々と活動を行っております。一方、災害からの復興、今後の有事に際しての危機マネジメント、有事にあっての産業の活力維持・競争力維持のためにP2Mを中心にプロジェクトマネジメントは何ができるかについて考え始めているところです。皆様も、有益であるメソッド、ツールあるいはPM適用のアイデアがありましたら、協会のイベント、ジャーナル、本オンラインジャーナルなどでご発信・ご発言をお願いいたします。ちなみに、PMAJジャーナルではHPにて、第41号緊急特集として『「大災害とPM」がんばろう、日本!』への寄稿を募集中です。
 なお、今回の東日本大震災発生後、海外からは、世界60カ国のプロジェクトマネジメント協会で結成するIPMA-International Project Management Associationを代表して会長・全副会長(連名)、PMI - Project Management Institute、ウクライナ財務大臣、インド政府高官、これまで交流があった各国のPM関係者・メディアの皆様からお見舞いのメッセーが多数寄せられたことをご報告いたします。みなさん、日本国民の不屈の精神、ミッション遂行の士気の高さ、冷静さ、クリエイティビティーに敬意を表しており、日本の早期の復活を願い、かつ、信じているとのことです。

 2010年度は、想像以上に厳しいPM人材育成市場に当面しましたが、会員の皆様、役員の皆様、協会職員が心を一つにして、プロジェクト & プログラムマネジメントの普及・発展と関連人材育成のための事業を推進して参りました。
 PMAJは新たなナレッジ資産として、「組込システム開発プロジェクトマネジメント基盤ガイド」(公的調査・研究受託成果)、「新事業の構想・構造化・計画業務遂行支援マニュアル・・・中小企業経営者、同コンサルタント向けのP2M準拠マニュアル」(公的開発受託成果)、「ITプロジェクト 実践リスクマネジメント・ガイドブック-II」(IT PM SIG成果)、「ITプロジェクト・マネジャーの成功条件」(同)、「英語版P2M研修パッケージ改訂版」など各セクターのニーズに応える成果物を投入したほか、(独)国際協力機構(JICA)、(財)海外技術者研修機構(AOTS)、などと連携を強化し、2008年度から協会が進めている『産業・社会に役立つP2M』のテーマ追求を継続してきました。
 今年度ですが、経済もようやく上向きとなりつつあった際に今回の東日本大震災が発生し協会を取り巻く環境の不透明さは増しました。しかし、そもそも、協会が依って立つプロジェクトマネジメントは、安定した基盤の上に遂行効率の向上を追求するマネジメント体系ではなく、「課題・制約を価値創造のビジネス(ビジネスには公務を含みます)に転換する」あるいは「リスク(uncertainty)や危機(crisis)と対峙しながら、プロジェクトのミッションを満たすための最適解を見出す」、などの本質的な側面も有しております。
 ここは会員の皆様、ご関係の皆様の出番です。PMAJは引き続き皆様がお持ちの深い知見、経験、ネットワーク・組織力を糾合する場であり続けます。
 3月19日には困難な時期にもかかわらず、多くの方々がPMC試験を東京と大阪で受験されました。P2M資格への熱きチャレンジは今年度も続き、これを大きな畝りとするように致します。
 また、災害からの復旧に目途をつけ、再度躍進する日本を象徴するプロジェクトマネジメント大会と致したく7月31日(日)に大阪国際会議場で「PMフォーラム2011大阪」 を、9月8日(木)、9日(金)には東京タワーホール船堀で「PMシンポジウム2011」を各々開催致します。
 皆様、どうか、今年度も協会の活動に引き続き積極的なご参加をお願い申し上げます。
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