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ここで、プロジェクトのライフサイクルに「空」に相当するものがないかと言うと決してそのようなことは無いと思います。確かに「有期性」を基本属性として持つプロジェクトは一定の目的を達成し完了しますが、P2Mの中ではプログラムを意識した使命達成に向け、次のプロジェクトの準備期間であるといえます。つまり、関係性マネジメントでの関係性の再構築や、資源マネジメントにおける組織全体で行う資源の蓄積がここで言うところの「空」に相当するのではないでしょうか。 |
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具体的には、「関係性マネジメントの再構築」では、プロジェクトの終了(壊)後も企業として事業の継続、存続を図るために、取引における顧客との関係を長期にわたって良好に維持することを行います。これらは、次のプロジェクトを、より効率的に成功に導くための準備期間(空)に相当すると思います。その結果、新たなアライアンスを生み、これまでに手がけていなかった新規分野へ、瑞々しい躍動感を持ったプロジェクトを発足(成)することも可能となります。 |
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資源マネジメントの資源の蓄積、特に情報マネジメントでも触れられているところの「情報資源」の蓄積は、プロジェクト単独でプロジェクトの期間中(住)にのみ行われるわけではありません。プロジェクトの遂行過程で組織にとって新たな価値を生む資源が得られた場合は、これを再資源化し、組織の他のプロジェクトでも活用可能な内部資源として蓄積します。この蓄積はプロジェクトが解散した後(空)も、ライン組織が管理し、ナレッジとして資産化し、次に発足(成)するプロジェクトへの貴重な情報資源となります。 |
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このように見てくるとプロジェクト終了後の「空」の存在は決して無視できません。だからこそ上述したように、P2Mではその間の活動が取り込まれているのだと思います。 |