ヤングコーナー
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「プロジェクトマネジメントとの出会い」

千葉工業大学大学院 岩崎 大祐 [プロフィール] :7月号

 私がプロジェクトマネジメントを知るきっかけとなったのは、大学に進学するときでした。進路選択を迫られていた当時、「大学へ進学したい」「何か新しいことを学びたい」といった思いがあり、在籍していた高校の推薦枠の一つである千葉工業大学を見てみると、機械、電子、建築、情報と学科名が並ぶ中、プロジェクトマネジメント学科という、見たことも、聞いたこともない学科を見つけたことを鮮明に覚えています。私はすぐにプロジェクトマネジメントについて調べました。プロジェクマネジメントというものがどのような学問なのかを調べていくにつれて、現代におけるプロジェクトマネジメントの必要性などがわかり、魅力的な学問であると感じ、プロジェクトマネジメント学科への進学を決めました。

〔実際のプロジェクトマネジメント〕
 プロジェクトマネジメント学科では講義のみならず、チームでの演習授業などを通して、プロジェクトマネジメントにおける一連の作業を体験し、知識と体験を得ることができました。
 入学当初は、周りの学力についていけるか心配でした。出身高校では電気について学び、プロジェクトマネジメントとつながらない分野であったため、知識ゼロの状態からのスタートだったからです。しかし、プロジェクトマネジメントを共に学ぶ周りの友人も、プロジェクトマネジメントに関する知識レベルのスタートラインが同程度であったため、変な劣等感もなく、共に協力し合って学ぶことができ、成長を楽しんで学習することができてよかったと感じます。
 プロジェクトマネジメントを学び、ニュースなどを見る際にプロジェクトマネジメントの視点で見るように心がけるようになりました。政治、経済、環境、スポーツとジャンルは異なるものの、プロジェクトマネジメントの視点で見ることによって、何気なく見たときと比べて違った見え方がすることがあります。ひとつ、サッカーワールドカップ2010南アフリカ大会を例に挙げると、各国の選手たちが観客席から鳴り響くブブゼラ(南アフリカの民族楽器)の音に悩まされ、本来のパフォーマンスを発揮できないといった問題がありました。この問題は、南アフリカ特有のカントリーリスクと捉えることができ、事前にこのような文化、習慣を考慮することができていれば何かしらの手段を打つことができ、パフォーマンスを十分に維持できたのではないかと考えられます。何気なく見ただけでは、そういった考えまではきっとたどり着かないと思います。そのような見え方をしたときに、プロジェクトマネジメント技法・手法の適用範囲の広さ・可能性を強く感じます。
 プロジェクトマネジメントを通じて学ぶ知識は、理解が困難なものが少なく感じます。どのツール・技法にしても、概要と四則演算程度の簡単な計算ができれば取り扱うことができるものばかりです。唯一困難なところは、適用するべき問題に直面した時に、それらのツール・技法を適切に扱うことができるかという点であると思います。実際に「新規ビジネスの創生」をテーマにチームで演習授業を行った際も、適用すべき場面は数多くありましたが、それらを使わずに勘に頼ってしまうことが多かったです。使うべき場面とわかっていても、使うことができなければ宝の持ち腐れとなってしまうので、経験を積み、体で覚えることが大切だと思います。

〔これからのプロジェクトマネジメント〕
 現代社会ではスピード、効率が求められ、プロジェクトマネジメントはますます必要とされると考えられます。スピードが求められるからこそ、計画、実行、評価、改善をしっかりと行うことが大切だと思います。また、改善を行う際は、現在確立されている知識領域にとどまることなく、新たな試みに挑戦していくことも必要だと思います。

〔終わりに〕
私は大学院でリスクの連鎖事象に関する研究を行っています。リスク事象において、損害規模の小さいリスクが連鎖し、損害規模の大きいリスクへつながることが問題視されているため、その事象の対策を提案しようと考えています。自身の研究によって直接社会に貢献することは難しいことかもしれませんが、地道に研究することでよりよい成果が生み出せると信じて、日々頑張りたいと思います。
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