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原子炉建屋の工程調査を実施し、成果が出なくても、調査した価値はある――60点 |
A |
建屋と機械の据付調整で成功すれば――― 70点 |
B |
海外原子炉工法の調査―――80点 |
C |
本調査の4ヶ月短縮は根拠がなく、誰もわからない。わからないことをそのままにすることではなく。どれだけの短縮ができるか、その調査方法を顧客が納得できれば成功といえるだろう。わずかな期待ではあるが、ゼネコンが海外調査までして、 |
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何もアイデアがないということはあるまい。(虫が良すぎるか?)しかし、この調査研究は最悪でも60点は取れると心の中で確認ができたことで、事業部内の検討会をお願いした。 |
3.3 |
事業部内検討会議 |
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重要案件であるから専務を長とする会議が開かれた。開始早々専務から
専務「昨夜、担当部長から電話があり、本件は絶対断るべきだとの上申があった」
筆者「わかりました。それで専務は断る方針ですか」
専務「いやいや、まだ決めたわけではない。みなの意見を聞いてから決断する」 |
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筆者からは
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問題をやさしくして解決する発想で「調査に対するシナリオ」を説明した |
A |
本件は「ゼネコンの協力が必要であり、ゼネコンの協力は電力にお願いし、セネコンが了承することを条件に引き受ける」 |
B |
ゼネコンは海外調査までして、ノー・アイデアということはありえないだろう |
C |
電力への説得は筆者がする。その際の決め手は「当社は世界で最初に石油精製プラント建設工程の電子化を手がけた当社スタッフの実績」である。現場担当者(ゼネコン)は意外と視野が狭く、新しいことに抵抗感がある。ゼネコンとは異なる視点で調査することに価値がある旨の説明をする」 |
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・ |
会議では受注する方向で顧客を説得せよということになった |
3.4 |
顧客の説得(上記手法で実施) |
3.5 |
顧客はゼネコンを説得し、プロジェクトスタート時50%のゼネコンが参加した |
3.6 |
海外調査時点で原子力関連ゼネコンは100%参加 |
3.7 |
帰国後ゼネコンは新工法発表 |
3.8 |
4ヶ月短縮完成の報告書提出
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4. |
まとめ
人間は追い詰められないと嫌なことから逃げることを考える。追い込まれると「ない知恵」も頼りになる。このとき、従来からの発想を捨てる人は成功することができる。知恵を出すのは「未来は過去より、常に面白い」からである。人生を面白く生きるには、小さな失敗をエネルギー源だと考える必要がある。 |