1)プロジェクトの基本属性 |
@ |
個別性:1回毎の受講者は異なります。同一環境、ステークホルダーの関係性配下で実施されるわけではなく、個別性を有します。 |
A |
有期性:講習期間は限られています。初めと終わりのある有期性業務です。 |
B |
不確実性:講義する内容、テキスト・コンテンツは同じだが、受講者の反応、評価の良し悪しはやってみないと分からないといった不確実性を有しています。 |
2)プロジェクトマネジメント |
@ |
デザイン:テキスト以外に講師自身の経験、事例の紹介などを盛り込み、強調するポイントを絞りこむなど講師が講義内容をデザインします。 |
A |
計画:講義当日までの準備、講義のスケジュール(単元毎の時間、休憩をとるタイミングと時間、1ページ当りの時間)を計画します。 |
B |
実施:講義の当日は上記@、Aにて、デザインしたコンテンツを計画通りに実施します。 |
C |
調整:講義途中は、進捗遅れ・進みすぎの時間調整や、受講者からの質問への対応、理解しにくい箇所をホワイトボードに記載するなどの進め方の調整をその場で行います。また、講義終了後は受講者の理解度テストの結果、受講者からの講義内容へのアンケートに基づき、講義を振り返り、次回に向けた反省を行います。 |
D |
成果:受講者のアンケート結果による講義の評価向上、受講者のPMS試験の合格と言う形で現われます。 |
3)コミュニケーションマネジメント
最後にコミュニケーションマネジメントの「場」の理論を活用しようと試みた例です。先に述べた「ソフトウェア品質マネジメント(2日間)」では、1日目前半に演習を通じて受講者の自己紹介を、2日目最後にはグループディスカッションを行います。初日の自己紹介では、受講者はお互いによそよそしくまだ十分に打ち解けていません。最後のグループディスカッションまでにメンバー間のコミュニケーションを図り、相互に理解をし、働きかけあい、共通の体験をする状況の枠組みを形成できる「場」を盛り上げることが必要です。いわば、講師は講義実施のプロジェクトマネージャとして「場」を表出させる役割を担うことになります。
下図は2007年度 関西P2M実践事例研究会の「“プロジェクトX”に学ぶ」分科会の中で「仮説の設定と検証」として示された「場」を表出させて、チームを活性化させることができることを示した図です。チームを講師・受講者を含めた研修を遂行している仲間と捉え、「場」(研修の場)に対する意識を高めます。 |