図書紹介
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どんな仕事も楽しくなる3つの物語
(福島正伸著、きこ書房発行、2008年04月21日、第2版、105ページ、1,000円+税)

デニマルさん:6月号

この本は今年3月に発売された。一ヶ月もしない内に増刷される程の話題の本である。ここに書かれた3つの物語(人であふれた駐車場、日本一のタクシー会社、警察で講師をつとめるペンキ屋)はどれも素晴らしい内容である。だからここで、これらの物語を紹介すべきであるが、その素晴らしさを体感してもらいたいので敢えて何も触れない。是非、読んで頂きたい。この本のエッセンスは、「働くことの意味=生き方、考え方」を書いている。著者は、知る人ぞ知る起業家のコンサルタントである。業界では、多くの起業家を育てた実績のあるメンター(優れた指導者、信頼のおける相談相手)として注目を集めている。

仕事が感動に変わる心構え(1)   ―― 仕事の意味を考える ――
3つの物語の共通点は、仕事を通じて多くの人に感動を与えている。その仕事からどうして感動が生れたのか、著者はこの点についてサラリと書いている。普段我々は何気なく仕事をしているが、同じことしていても或る人がやると感動に変わる。その人は、他の人とチョット違ったやり方をしている。駐車場管理人の叔父さんは、ただ単に車の管理をするだけではなく車を運転する人のことも考えて仕事をしていた。本来、仕事には面白い仕事も、つまらない仕事もない。つまらない仕事にしてしまう自分自身の考え方にあるのだという。

仕事が感動に変わる心構え(2)  ―― 自己原因で考える ――
著者は学校を卒業後就職したが、働く意味を見出せず直ぐ辞めてしまった。会社があれば働けると思って自分で会社を設立したが、上手くいかなかった。「何のために働くのか」「自分は何をしたいのか」等々、迷って色々な先輩の方々の話を聞いた。その結論は、仕事で輝いている人は、輝いている生き方や考え方を持っていることに気が付いた。問題は、面白い仕事でもその成功を収めた特別な人でもない。自分を見極められずに、仕事や生き方に不満があったのでは本当の答えは得られなかった。根本的な原因は、自分自身にあった。

仕事が感動に変わる心構え(3)  ―― 目指すことをあきらめない ――
その道一筋の名人や事業で成功した人からは、仕事をあきらめないで続けられたので今日があるという話をよく聞く。著者も数枚の企画書から、色々な方のアドバイスを貰って数百枚にもなり、仕事を応援して貰った例を紹介している。最後まであきらめなかったから出来た話である。人があきらめないで実行するには、相当の覚悟が必要である。その「決意」を持続させるのは、その人自身の考え方に掛かっている。自分があきらめない限り、その成功の可能性は残っている。このあきらめない心構えが感動につながると結んでいる。

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