グローバルフォーラム
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「グローバルPMへの窓」 第22回
PMAJグローバルPMシンポジウムに向けて
その4− 世界のPM賢人に会おう (1)

GPMF会長  田中 弘:10月号

 先月号では基調講演の紹介を行い次は各トラックの講演の紹介といきたいが、目下編成の詰めを行なっているところである。プログラム編成は順調に進んでいるが、もう少しお待ち願いたい。
 そこで今月号からは、わが国際シンポのためにはせ参じてくれる世界のPM賢人の紹介を行いたい。

Adesh Jain IPMAチェアマン
Adesh Jain まずは、PMAJの信頼できる友人であり、世界PM界のスーパー著名人であるAdesh Jain氏を挙げたい。当シンポジウム国際顧問団の纏め役で、2日目に基調講演を戴くことになっている。
2001年の東京国際PM大会で、小原教授のP2Mお披露目講演で議長を務めていただいた姿が記憶にある読者もあろう。アジア最古のPM協会である、インドPM協会(PMA)の創設者でいまだ会長の職 にある。IPMA(国際PM協会連盟)の副会長を2期4年務めた後、2005年06年と西欧以外から初めてIPMAの会長(プレジデント)を務め、現在はチェアマンの地位にある。米欧中心のPM基軸に風穴を開けた功労者である。

Cristophe Bredillet リール大学院大学修士・博士課程学長
Cristophe Bredillet 海外でMr. P2Mといえばこの先生をおいてはない。
P2Mに惚れ込み、PMAJ代表が同席しない国際大会や学会でもP2Mに関する論文を発表するほど熱心にプロモートして戴いている。リール工学大学院大学(グランゼコール)で電気工学を修めたエンジニアであるが、MBA、Ph.D. (Business Management)を収め、さらに一国にそれほど居ない最上位の学位Dr. of Scienceを取得した秀才である。
競争が激しいマネジメントスクール(フランスの場合は、大学より上位のグランゼコール)にあって、いち早くPM専攻課程を設けてリール大学院大学でを、いまや80名の修士課程生、70名の博士課程生を擁する圧倒的に世界一のPMスクールに育てあげ、世界のPM学者のリール詣でという現象を作った手腕はお見事につきる。リール大学院大学はヨーロッパで唯一のPMI認定を受けたPMスクールであり、Bredillet先生はPMI Journal の編集長でもある。

Lynn Crawford ボンド大学・リール大学院大学教授
Lynn Crawford こちらは、Ms.P2Mである。P2Mの英語版の作成を初めとしてP2Mの国際普及でPMCC/PMAJが多々お世話になっている。もともとオーストラリアで建築家であったが、都市計画の専門家から入ってPMの経験を深め、英国のHenley CollegeでRodney Turner教授の下で研究を行いDBA (Doctor of Business Administration)を取得してからは、教授、PMコンサルタント、それに国際PMイニシアティブの代表と多彩な活動をしている。
永年教鞭をとっていたシドニー工科大学から本年5月にボンド大学(豪)に移ったが、リール大学院大学ではPM専攻の主任教授を務めている。透明感があるプレセンテーションはPMIを中心に世界のPM大会の主役であるが、”Lynn Link”の異名をとるほどネットワークの達人で、現在は、世界の関係機関・協会(PMAJもメンバー)を束ねたグローバル・ニュートラルPM職能標準開発コンソーシアム GAPPSの主査を務める。

David Pells  PMFORUM.org主幹、PMIフェロー
David Pells PMIのホームページ以外で圧倒的に世界一のヒット数を誇る、www.PMFORUM.org というニュートラルなグローバルPMサイトがあり、このサイトのオーナーとして世界最大の超党派グローバルPMネットワークを持っているのがDavid Pells氏である。
同氏は米国のエンジニアリング会社勤務時代にPMIのボードメンバーとなり、副会長を務めた。同氏を有名にしたのは、PMI副会長 時代の94年に提唱し、95年のニューオリンズのPMI大会時に第1回世界大会を開いて実現したGlobal Project Management Forum (GPMF)である。(そういうことで、同氏とGPMF立ち上げ仲間である筆者は大変親しい)。
 一見シャイであるが、ひとたびプレゼンテーションが始まると壮大な世界観がひろがり、またビジネス面では山っ気十分である、大変ユニークな人物である。

Hugh Woodward   Macquarie Business Concepts CEO 元PMI会長
Hugh Woodward 昨年のPMシンポジウムに来賓として参加してくれたが、再度の来日を快諾してくれた。PMI史上唯一2年連続(2000年・2001年)でチェアを務めた人格者で現在はPMIサークルのみではなく、世界のPM人に人気がある長老である。完全な米国英語を話すが、オーストラリアのタスマニア島出身で、米国の名門リーハイ工科大学大学院に留学して、卒業後プロクター&ギャンブルで工務部門の長を務め、世界のP&G拠点を渡り歩いた。
氏のバランス感覚は、このようなグローバルキャリアから生まれたものであろう。
〔次号に続く〕

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