SIG
先号   次号

「リスクマネジメントのポイント整理WG」
〜ITベンチマーキングSIG〜

WGリーダー 新日鉄ソリューションズ株式会社  浅田 誠:11月号

  当WGは、IT系ソリューションプロジェクトにおいてはある意味では成否の鍵そのものとも言える“リスクマネジメント”を取り上げ、実際の場で役立つようにポイントをわかり易く整理することを目指して活動を進めています。
 一昨年秋の発足以来、ほぼ毎月会合を行い、この10月で20回を数えます。リスクって本当は何なんだ?から始まり、理屈と実際の両方を見ながら議論を進めて来ています。昨年のPMシンポジウムでは中間報告を行いましたが、その後の整理結果の一部を、今年のPMシンポジウム2006でもお話ししたのとともに、「ITプロジェクトにおける実践リスクマネジメント・ガイドブック」の刊行に向けて全力を挙げているところです。
 スタート以来、リスクマネジメントの標準モデルを中心に据え、リスク事象及びリスク影響に関するドライバーに注目して、そこから対策のポイントを探って来ている点が特徴です。
 毎月の会合は、メンバー各自の言いたいことが自由に飛び交うものの、他人の言うことも真剣に聞くという非常に良い雰囲気の中で進められています。活動を通じて得られていることとしては、自分の考えを述べることにより、頭の中の整理が行える、何がわかっていないかを自己認識できる、他のメンバーの話を聞くことにより、新たな視点や考え方の気づきを得られる、ことなどが挙げられると思います。
 ただ、リーダーとしてメンバーにお詫びしなければならないこととして、飲みニケーションの場をあまり持てなかったことがあります。毎月1回の夜の会合の開催に精一杯で、懇親の場のセットまで手が回らなかったためですが、これについてはメンバー各位に深くお詫びします。
 以下メンバーの何人かの方に一言述べていただきます。

[澤田 美樹子(サブリーダー) 株式会社日立東日本ソリューションズ]
 ITソリューションを提供する会社で、リスク分析コンサルティングに従事しています。その活動の中で2003年に翻訳した「実践・リスクマネジメント」(原書はPMIが優秀図書として表彰)には、米国のある通信機器メーカーが製品開発プロジェクトのリスクマネジメントで培った「標準リスクモデル」とリスクマネジメントプロセスの5つのステップが提唱されています。これをITプロジェクトのリスクマネジメントに適用できないかと考えていた矢先、当WGに参加する機会を得て、ITプロジェクトのリスクマネジメントについて興味・関心を持ち実践しているメンバーの皆様と適用可能性について議論することができました。ITプロジェクトの特性を理解しつつ標準リスクモデルの視点からリスクを分析することは非常に有意義であり、今後、この議論の結果がガイドブックという形で成果になるのが楽しみです。さらにはこれが日本のITベンダーのリスクマネジメントの実践に、多少なりとも寄与できればと思っています。

[吉岡 靖晃 株式会社インテック]
 SIerに勤務し、自ら設置提案した全社PMO組織に所属しています。プロジェクトマネジメントレビューを中心に、ライン部門の主要プロジェクトの側面的支援(監査的要素も含む)を担当しています。
 数年前、別の団体の委員会(WG)でリーダの浅田氏と一緒に勉強させていただき、その頃から受注・契約段階のリスクマネジメントが最重要であるというところで意見の一致を見、このWGの発足時にお誘いを受けました。
 リスクマネジメントの学識はありませんが、これからはメンバーの皆さまから教えていただきながら、実践的なリスクマネジメントを身に付け、横展開できればと思っています。
 このWGへの参加がたまに欠席しながらも続いているのは、他社の皆さまと好き勝手にお話ができる場であるからです。むしろこっちがメインですね。

[泉田 浩二 有限会社ケイ・エムソリューションズ]
 私の当SIGへの参画の契機は、当時担当していた部門でかなり大型の案件で大きな失敗をしたことがありました。これのレビューをやっている中で、いかにリスクマネジメントが重要なのかを再認識させられました。リスクマネジメントはPMBOKでは、9つの知識エリアの中の1つであるが、リスクマネジメントが単独であることは無く、品質(スコープ)、コスト、タイムなどほとんどの知識エリアに共通して関連する重要な部分であり、リスクマネジメントの良否がプロジェクトマネジメントの成功、失敗を決定付けるという事を痛感しました。丁度その頃、当SIGの募集があり、世間でのリスクマネジメントの実際はどのような物なのかを勉強するために参加しました。参加メンバーは、皆さん参画意欲も高く、毎回自由で活発な意見交換が出来、それぞれの企業、立ち場で苦労、工夫されていることが良くわかり、井の中の蛙であった自分にとって大きな刺激であり、また多くの知識や考え方を吸収させていただきました。

IT-SIG,内容にご意見ある方、参加申し込みされたい方は
 こちらまでメールください。歓迎します。

ITベンチマーキングSIGホームページは こちら
ページトップに戻る