懸賞つきPMクイズ
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懸賞つきPMクイズ(3) 8月号の回答

芝 安曇:9月号

「説得力」

(2)個人説得の4領域説得手法(図2防護の壁と切り崩し手法
防御の壁と壁崩しの手法(北風と太陽の手法)
第2図は4つの領域で構成されている。
第一領域は被説得者の領域である:防衛本能が高く、防護のための分厚い壁がめぐらされている。防衛本能、既得権維持、地位の維持、失敗を恐れる、自分がしなければよいと考えている。
説得はこの壁を持つ人間に際して行われるものである。
その説得手法として
第U領域:
第V領域:
第W領域:
が存在する。

問題1.:第2図から第U、V、W領域のネーミング、特徴と、説得手法を書いてください。
そしてあなたはどの領域の手法が効果的か述べよ
回答:
第U領域:北風領域
第V領域:WIN/WIN領域
第W領域:太陽領域
防御の壁と壁崩しの手法(北風と太陽の手法)
各領域の行動様式は図中に書きました。
第U領域:北風領域
第U領域は欧米人好みの説得法です。昔は「脅しの論理」が有力な交渉・説得手法でした。
今でも交渉術の基本は「脅しの論理」です。米国ブッシュ大統領方式、中国江沢民方式すべて古典派の手法を用いています。しかし交渉術の基本的手法の一つです。「脅しの論理」は相手から有利な妥協案を提出させるための手法です。江沢民は日本を脅し、有利な条件でODAを確保しました。残念ながらこの脅しに弱いのが日本人の特質です。日本のマスコミは国益より政府攻撃で紙面を埋めることに腐心していますから、中国の脅しに協力した形になります。プロジェクトでも同様なことが常におきています。顧客から脅かされるとすぐれてしまいます。営業はプロジェクトの味方であるより、すぐに顧客の味方をしてプロジェクトを不利に持ち込みます。顧客は話せば分かりますが、味方は話が通じないから難物です。
第三領域:WIN/WIN領域
上図は「脅しの理論」と多少ことなります。自己主張はするのですが、その商店は相手のメリットを刺激するところにあります。これはビジネスにおけるプレゼンテーション技術の一手法です。結果的にお互いに利益を上げましょうと形になります。防御の壁を破る手段として、あなたのメリットはこれですよという論法です。そのためには事前の準備が不可欠です。ビジネスプレゼンテーションは最初の2分間が勝負です。
説得力の思考技術
ビジネスにおけるWIN/WINの関係は、欧米では契約の概念が正しく理解していますから最近はWIN/WINを尊重する習慣ができてきました。契約概念の乏しい日本では交渉ごとでWIN/WINはこれからの段階です。

第W領域:太陽領域
部下やスタッフを説得するときの一手法です。北風と太陽の物語でお分かりのように、太陽はマントを脱げと一言も言っていません。自主的に脱がせる手法です。ここでは2つのポイントを認識する必要があります。第一のポイントは「説得者は説得してはいけない」ということです。彼らに与えられている現状を考えてもらい、自分の立場を理解し、自主的に行動してもらうことです。人の説得はそれほど甘くないよねという声が聞こえてきます。
その通りです。第1のポイントは上司がまず、部下に信頼されるというステップが必要です。説得の第1歩は「理解して理解される」です。部下やスタッフの自主的なオファーに対し、完全に支援し、彼らの成功に寄与する姿勢を感じなければ、誰も自主的にオファーしないことは自明の理です。言葉を代えます。第1のポイントは「信頼関係の確立」です。第2が「自ら考えさせる」です。