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PMRコーナー 「P2Mを使ってみる」

藤澤 正則:9月号

◆P2Mとの出会い
 私は、現在、食品会社において、商品を使用しているお客様(外食産業や中食産業)や自社のグループ会社に対して、もの作りの仕組みづくり(主に、工場の調査分析、工場計画、設備計画、運用改善など)の支援する業務を行っております。
 食品会社は、食品を開発する、造る、売ることについては、できていると思いますが、エンジニアリングメーカー、IT系企業とは異なり、プロジェクトの名前はあれど、目的と手段の取り違えたりしているプロジェクトが普通の状態でした。
 6年ほど前に、物流小売業関連の組合に出向することになり、従来、行っている業務とは異なる業界においては、当たり前がまったく違いました。その期間中に、偶然、JPMFの月例会に出席して、P2Mの存在を知り、講習会を受け、PMSを取得しました。プロジェクトとは?などの基礎的な知識を知り、実際にプロジェクトを作り、実行する業務を行うと、手探りで行っていたことが、関わる人に理解していただけ、プロジェクトがスムーズに進むことを経験できました。

◆PMRの取得とその後
 出向解除後、設備や工場計画に関わる業務を携わるようになりましたが、P2Mを社内に理解してもらえる状態ではなく、自分のレベルアップをするために、PMRを挑戦しました。実際に受けてみて、様々な業界の方と同じ課題を時間内に取り組むことを行うことができ、また、多くの方と知り合い、有意義な機会を得ることができました。
 取得後、社内的にも、P2Mの手法を活用したプロジェクトの実施や講習会を行う機会に恵まれ、徐々に理解してくれる輪が広がり始めました。
 現在、多くのプロジェクトに関わる機会が増えており、各々のプロジェクトでは、ありのままの姿を知り、わかり、プロジェクトを考える業務から、参画できるようになってきております。また、プロジェクトが終了し、運用となったとき、その仕組みで価値を生み続けるには、プロジェクトをどのように考え、実行するかについても、重要な課題であり、そのため、P2Mのプログラムマネジメントのうち、特にプロファイリングマネジメントについて、実践研究中です。

◆P2Mに今後期待すること
 P2Mは、様々な業界や事象において、活用できるツールです。
 実際、プロジェクトを実施するフェーズは、PMPOKなどにもあるツールですが、プロジェクトを考え、作ることは、P2Mの特色であり、現実の課題を解決するには、役に立つツールだと考えられます。
 P2Mに興味を持っている方は、PMに関わっている方が多いと考えられますが、P2Mを実際の業務において、使ってみることをお薦めします。
 多くの業界や事象に活用した結果が、P2Mにフィードバックされて、レベルアップすることに、私も貢献していきたいと考えております。

藤澤 正則
藤澤 正則

【略歴】1985年キユーピー株式会社入社。
    工場の製造経験後、設備導入、工場建設に関する業務をへて、
    物流小売関連の出向後、現職。