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コンピテンシーSIGの活動

好川 哲人:7月号

  今年度は、コンピテンシーSIGは過去3年間の研究成果の展開という位置づけをしている。昨年までの成果は、2006年1月の例会、および、オンラインジャーナルの3月号でご紹介させていただいたので、ここで詳しいご紹介は省略するが、一言でいえば、「習慣化によるPMコンピテンシーの開発方法論」を開発したので、今年度はその方法論を具体的なアクティビティとして展開していくことにしている。

アクティビティとしては

1) PMコンピテンシーの開発のためのワークショップ型のセミナー
2) セルフメンタリングの手法を適用した日常プロジェクトマネジメント活動の中でのPMコンピテンシーの活動
の2つである。

 まず、1)については、トライアル的な位置づけで、PMシンポジウム2006の第2日目に1日のワークショップを行う予定である。このワークショップでは、7つ定義しているコンピテンシーの中でも特に一般性と共通性の高いコンピテンシーとして

PMコンピテンシー1:プロジェクトの目的を常に意識する
PMコンピテンシー6:ステークホルダと共通認識を形成する

の2つを取り上げ、これについて、SIGで提唱している

1) コンピテンシーの理解
2) 実経験での認識
3) ソリューションの構築
4) ケーススタディ
5) スキル実践

の5つの学習ステップをワークショップの中で実際に経験し、コンピテンシーを高めていくことを狙いとしている。

コンピテンシーの学習(あるいは習慣化)は自分の抱える問題の解決を目的として行われることが多い。たとえば、スコープクリープが起こることが多いことを自身のプロジェクトマネジメントの問題点として認識しているとすれば、それを改善することがコンピテンシーの開発動機になる。

さらに、本年度10月以降に同じスキームで、2日のセミナーを実施する予定にしている。
詳細は決まり次第、PMAJのホームページで告知したい。

さて、上の学習ステップを見てもらうと分かるように、SIGで考えているコンピテンシー開発はスキル実践の繰り返し(習慣化)によりPMコンピテンシーの開発を目指すものである。このため、ワークショップを経験したことをフィールド(自分の日常業務)の中で繰り返し行っていくことが求められる。

そこに対しては、SIGとして、セルフメンタリングという手法を開発し、ツールを準備している。詳細はPMAJのホームページに2006年1月の例会資料があるのでそちらを参照して戴きたいのだが、簡単にいえば、スキル実践の中で、そのコンピテンシーを高めると思われる目標行動(プロジェクトマネジメント行動)を決めて、プロジェクトマネジメントを実践し、そのフィードバックによりさらに、次の目標を決めていくという考え方である。

以上の考え方によるPMコンピテンシー開発を実践してみるために、本年度下期以降に半〜1年程度のフィールドスタディ(フィージビリティスタディ)を計画中である。このフィールドスタディがうまくいけばSIG活動として大きな成果を得ることになるので、ぜひ、成功させたいと思っている。会員の方に置かれても、ご協力を戴ければ幸いである。

【モニター募集中】
モニターになってくださる人を募集しています。もし、この記事を読んで戴いているPMAJ会員様の中で、このようなPMコンピテンシーの開発に取り組んでみたいと思われる方があれば、ぜひ、SIGまでご連絡をお願いします。特に、組織として、取り組んでみたいという方を求めていますが、個人の方でもかまいません。よろしくお願いします。