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「夢工学(40)」

川勝 良昭 [プロフィール] :2月号

     

3 自分は、どの性格タイプなのか
(1)Bタイプとは
●人格総評

Bタイプの人物は、自分を肯定し、他者を否定するタイプである。悪夢工学が対象とする主役である。

Bタイプの人物は、言い換えると、自分を愛し、他者を愛さない人物である。自分に極めて甘く、他者に極めて厳しい。自賛主義者且つ他罰主義者といえる。わがまま、欲張り、攻撃的で自己中心主義である。独善的。排他的。他者批判的。足を引っ張る。騎す。裏切る。妨害するなどを平気で行うタイプ。表面はともかく、腹の底では他者を尊重し、思いやるなど全くしない最低の人物である。従って他者の夢を平気で破壊する。

●成功時と失敗時の自者と他者への評価
Bタイプの人物は、何かを成功させた場合、その成功の原因は、己の能力と己の努力の成果であると考える。と同時に成功の頂に辿り着く過程で数多くの人々が協力した場合でもBタイプの人物は、「協力した彼らは、すべて彼ら自身のために協力したのだ」また「成功しそうな自分を勝ち馬として協力したのだ」と他者を考える。表面はともかく、他者への感謝の気持ちなど腹の底には全く存在しない。

Bタイプの人物は、何かを失敗させた場合、その失敗の原因は、己の能力や努力の不足とは考えない。と同時に失敗に至る過程で協力した人々に対して「彼らの能力とその努力が不足した」また「彼らが失敗の原因を作った」と考える。従って他者の協力に対する感謝の気持ちなど全く存在しない。

●B1タイプとは
B1タイプは、極端なほど強い自分肯定主義者である。一方極端なほど強い他者否定主義者である。他者を無視したりするならまだ他者への意識が働いた結果である。極端な否定とは、否定や無視より、無関心に近い。従って「他者無関心者」である。

B1タイプは、言い換えれば、超唯我独尊者である。また自分のタイプを自覚している。従って夢やプロジェクトを破壊する意味と効果も十分に認識している。

たとえばB1が宗教家の場合は、当該宗教の教えに反することを内々平気で実行する。B1が思想家の場合は、当該思想に反することを内々平然と実行する。B1が犯罪者の場合は、刑法の犯罪構成要件に該当することを罪の意識など全く感じないで堂々と実行するタイプである。

B1は、他者を否定以上に否定しているので、自己の利益達成や被害回避のためには、あらゆる大義名分を駆使し、人を騙し、人を裏切り、人を蹴落とすことなど屁とも思わない。良心の呵責を全く感じることもなく、クールに物事を遂行できる人物である。

B1は、まさに悪夢工学の典型的な対象者であり、悪夢工学の最強の敵である。またB1は極めて優れた能力を持つ。他者を肯定する気が全くないので他者の感性を感じる必要がない。そのため極めて乏しい感性しか持たない。

●B2タイプとは
B2は、B1の様な強烈な肯定と否定を取らない。普通程度である。しかし自者を肯定し、他者を否定する人物には変わりはない。また自分がB2タイプであるという意識があり、夢やプロジェクトを破壊する意味と効果を十分に意識している。B2は、B1に次ぐ夢破壊者である。

●B3タイプとは
B3は、自者を肯定し、他者を否定するが、自者がBタイプの人物であるとの意識が全くない。B3は、プロジェクトを破壊する意識がなくて破壊するので極めてやっかいな人物である。

またB3は、特別のことが起こらない限り自意識は生まれない。特別のこととは危機に直面することである。いずれにしろB3は、夢やプロジェクトを破壊する人物に豹変する可能性を秘めているので、B1やB2の夢破壊者の予備軍に属する人物と言える。なおB3が無意識であるということは、B3には鋭い理性的判断力やクールな実行力にやや欠けることも意味する。

(つづく)