次号

2005年12月2日

吉川会長メッセージ

 ご来賓の皆様、ご参会の皆様、本日は、急な公務のため、日本プロジェクトマネジメント協会の設立記念パーティーに出席できませず誠に申し訳ございません。私自身、PMAJの前途に大きな期待を抱いておりますので大変残念でございますが、私のPMAJに対する思いをメッセージに託してお伝えいたしたいと存じます。

この度、PM資格認定センターPMCCと日本プロジェクトマネジメント・フォーラムJPMFが統合して日本プロジェクトマネジメント協会PMAJが発足いたしましたことは会長として大きな喜びとするところでございます。
 PMCCもJPMFも、わが国のプロジェクトマネジメント実践の先達である財団法人エンジニアリング振興協会から生まれた団体でございます。両団体は、ものづくり日本、プラント輸出国日本のPM成果に、このところ著しい発展を遂げておりますIT産業のダイナミックなPMモデルを加えて、事業活動の基盤としており、お互いに協力しながらも若干異なる使命をもって別個に活動してまいりました。
 しかし、両団体の理念は「グローバルに急激に変化する環境にあって、時代の要請に応える高度な視点、広い視野を有するPM人材の育成と企業・団体および自治体等の経営活動におけるPMの普及を図り、わが国産業の国際競争力強化および活力ある経済社会の発展に寄与する」と、共通でございますので、今回より強い協会の実現を目指して統合を実施したものでございます。
 これにより、改めてわが国プロジェクトマネジメントのナショナルセンターとしての地位を強め、またグローバルPM界にあっては各国協会の信頼できるパートナーとしてグローバル規模でのPM発展に向けて役割分担を行いながら、より一層の発展を期するものです。

 PMAJとなることにより、当協会は、P2Mスタンダードに始まり、PM教育、PM資格認定、PMの生涯学習機会を提供し、更には関係者間の相互交流あるいは研鑽の機会を提供できる体制を整えました。これにより各界のニーズにより的確に対応してまいることは当然ですが、会長として次のことをお願いしたいと思っております。

  1. まず、大学等の高等教育におけるPM教育の充実のための働きかけをわが国のPM協会であるPMAJが行っていただきたいということです。PMAJ幹部の方々によりますと、米欧は元より中進国でも、大学でのPM教育課程の設置が進んでいるとのことですが、わが国も遅れをとってはならないと思っております。この面では私もお役に立てることがあるかと思います。
  2. 次に、わが国としての競争力維持のための諸般のイノベーション活動にPMの仕組みを提供して頂きたいということです。ものづくり日本の現場には日本的な優れたPMの知恵と技が宿っており、P2Mはそれを形式知化したものであると思っております。さらにP2Mを磨いてイノベーション促進に役立てていただきたいと願っております。
  3. 三番目に、産業界にはPMAJへのより強いご支援をお願い致したいと思います。我が国のPM協会は明日の日本を創る知的インフラの一翼を担っております。PM日本が世界に伍していくためには、アンカーであるPMAJに着実な運営をできるだけの基盤が必要です。P2M資格振興、各種PM人材育成事業に皆様方のより強いご支援をお願いする次第でございます。

 学問も同じでありますが、守りに入ったところには当然イノベーションは生まれません。PMAJも統合で安心することなく、常にチャレンジしながら進んでいきたいと思います。

 ご参会の皆様、PMAJを今後ともよろしくご支援くださいますようお願い申し上げて私のメッセージといたします。

以上