講師 |
京都大学iPS細胞研究所 増殖分化機構研究部門 免疫再生治療分野 教授
金子 新 |
セッション概要 |
2006年にマウス、2007年にヒトでの樹立が報告されたiPS細胞は、無限とも言える自己複製能と、個体を形成するあらゆる細胞に分化できる分化多能性をもち、invitroで維持できる細胞として、再生医学研究に広く活用されている。我々は、再生医療研究や創薬研究に供することを目的とし、iPS細胞を用いた抗原特異的T細胞の再生を報告したのを皮切りに、iPS細胞由来のキラーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞を含む自然リンパ球、CD4制御性T細胞などの分化誘導法の確立や、それらの細胞を遺伝子改変して得られるキメラ抗原受容体(CAR)-T細胞、CAR-NK細胞などを用いた新しい治療法の開発を続けている。本講演では、iPS細胞研究所から供給される再生医療用iPS細胞を用いたこれまでの我々の研究成果について紹介するとともに、TOCを活用した個別化免疫再生治療の開発と展望についても紹介したい。 |
講師略歴
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1995年筑波大学医学専門学群卒業、2002年同大学院医学研究科修了・博士(医学)取得。日本学術振興会特別研究員を経て、2003年より筑波大学血液病態制御医学講師。2005年よりサンラファエレ研究所(ミラノ)研究員。2008年より東京大学医科学研究所助教。2012年より京都大学iPS細胞研究所准教授、2020年より現職。 |