SP-12 水害の歴史と地域知から探る災害対策・対応 世界遺産:熊野本宮大社を取り巻く地域社会 |
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9月15日 13:20~14:20 | Business Acumen( Strategic ) |
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京都大学 地球環境学堂 准教授 落合 知帆 |
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明治22(1889)年8月に熊野川流域で起きた大規模水害では、奈良県十津川村、和歌山県田辺市本宮町や新宮市などで甚大な被害をもたらした。熊野古道で知られる熊野本宮大社はかつて熊野川の中州に位置していたことから、壊滅的な被害を受け、高台に移設再建されてから今年で130年を迎える。この熊野本宮大社の移築再建は約2年という短期間で成し遂げられたが、その事業は国、県、熊野本宮大社、氏子や住民達の調整や協力、作業分担などによって成し遂げられていた。一方、地域住民は自らの地域や家族を水害から守るため、アガリヤという避難小屋を高台や嵩上げ地に建築するなど災害に備える仕組みを構築し、水害とともに生きる対策を行ってきた。本講演では、熊野本宮大社の移築再建の経緯や体制に加え、地域住民が主体的に行ってきた防災対策を歴史および伝統知・地域知の視点から紹介し、人々はどのように災害に備え、対峙してきたのかを考察する。 |
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