講師 |
一般社団法人システムイノベーションセンター(SIC) 副センター長 木村 英紀 |
セッション概要 |
イノベーションの議論はこれまでデバイスやコンポーネント、素材、工法などの変革に限定されてきた。しかし、実際にはこれらと並んで、新しいシステムの構築と運用が技術を変革する大きな駆動力となっており、この「システムのイノベーション」を視野に入れなければ技術進歩の本当の姿を把握することは出来ない。最近では製造業のサービス化に伴い、付加価値が要素からシステムに急速に移動しつつあること、さらにシステムの変革は技術だけではなく経営や社会の変革にも結び付いていることから、システムイノベーションの役割はますます大きくなっている。
本講演では「システムイノベーション」の歴史やその役割、それを実現するための手法、そこで必要とされる知識と経営的な基盤について述べる。システムイノベーションにおけるプロジェクトマネージメントの役割についても述べたい。システムイノベーションが日本においては未熟であることが国際競争力の弱さに通じていることも示す。 |
講師略歴
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1970年東大工学系大学院博士課程修了、同年大阪大学基礎工学部助手、1986年大阪大学工学部教授、1995年東京大学工学系大学院教授、2002年理化学研究所生物制御研究室長、2009年理研トヨタ連携センターセンター長、2011年科学技術振興機構研究開発戦略センターシステム科学ユニット長、2015年早稲田大学招聘研究教授、2020年より現職。 |