【A-3】 京都花街の経営学
自律的人材「舞妓」の育成に学ぶ |
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9月2日 13:25~14:40 |
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講演者 | 京都女子大学 現代社会学部 現代社会学科 教授 西尾 久美子 |
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セッション概要 | 京都花街の舞妓の多くは京都以外の出身者です。ごく普通の少女が、1年程の修業期間を経て伝統文化を体現する「舞妓」としてデビューし、数年で芸妓となり独立する道をめざします。なぜ、短期間に伝統技芸を身に付け、一流の「おもてなし」の場で活躍できる専門職になれるのでしょうか?本講演では、京都花街の人材育成について、キャリア形成の視点から解き明かします。 舞妓志望者は擬似家族関係に組み込まれ、その関係性を基盤にさまざまなことを教えられ身に付けていきます。そして、舞妓デビュー後は育成指導者や顧客を含む多様な関係者からフィードバックを受け能力を磨きます。数年の経験を経て芸妓になると、後輩の舞妓たちを取りまとめ、おもてなしサービス提供のためにリーダーシップを発揮します。 京都花街の人材育成の特色として、育成者側がキャリア形成のプロセスを意識し、それに応じた指導と能力発揮の機会を設定することと、被育成者側が能力発揮の機会を通じて得られるフィードバックを活用し、能力を客観視する視点の獲得があげられます。その結果、専門職としてのキャリア形成を自ら促せる、自律的な若手人材の育成が可能となっています。 |
講演者略歴 |
京都女子大学現代社会学部 教授 京都市生まれ、実家は数代続く米穀商。 大阪ガス株式会社に勤務後、 1997年4月 滋賀大学経済学部に社会人入学、同2001年3月卒業、 2006年3月 神戸大学大学院経営学研究科博士課程修了、 博士(経営学)を取得。 2006年4月 神戸大学大学院経営学研究科助手を経て、 2008年4月 京都女子大学現代社会学部准教授、 2013年4月から現職。 専門は、組織行動論、人的資源管理論。 著書『京都花街の経営学』(東洋経済新報社)、『舞妓の言葉』(東洋経済新報社)、『おもてなしの仕組み』(中公文庫)など。 |