今月のひとこと
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 狐の皮衣(かわごろも) 

オンライン編集長 深谷 靖純 [プロフィール] :9月号

 編集子自宅周辺の梨畑では、市場に出せないけれど味は上等といった梨を安価で売ってくれる梨農家があるので、この夏も美味しい梨を堪能することができました。薬剤の散布頻度を増やすと傷が少ないきれいな梨になるのですが、地域全体の取り組みとして薬の使用は最低限にしようとしているためどうしても梨の表皮に斑点がついたりしてしまうそうです。皮を剥くと、きれいなので気にする必要はないのですが、スーパーの青果コーナー等では売れないので市場で引き取ってくれないそうです。毎年、たい肥を作って畑にまくところや梨の白い花を見ている地元民でしたら、少々の斑点が付いていても美味しいことを知っているので気にならないのですが・・。
 これから、品種が変わって味も変わっていくので、楽しみが続きます。

 何十年も前の話です。当時の勤め先で、基幹システムを同業大手が開発した新システムに切り替えたことがあります。自社で同様のサービス機能を持ったシステムを開発することが難しいと判断したためですが、その際「狐の皮衣を購入した。」と評した人がいました。「狐の皮衣」とは狐の毛皮で作ったコートのことで、中国古典の時代には高級高額な貴重品とされていて成金族の贅沢の象徴とされていたようです。その人は、大手では必須でも自社には必要ない機能が満載の高級システムを、身の程をわきまえずに購入したという意味でそう表現したのです。実際は、自社で身の丈に合ったシステムを開発するよりもかなり低額で購入したので、贅沢な出費には当たらないのですが、当時は、古典に詳しい人がいるものだと感心したものです。
 最近になって、P2Mは大企業向け・大規模プロジェクト向けだという意見を聞くことがあったことから、当時の出来事を思いだしました。「狐の皮衣」という言葉こそ使っていませんが、P2Mは大企業専用の特殊で高級なマネジメント技法だと考えているのでしょうか。P2Mガイドブック自体は税込4,620円の書籍ですので、廉価とはいえないかもしれませんが高額という程でもないと思います。P2Mを使うには難しい理論を理解できる要員が大人数必要になるなど重装備になるので、大企業や国家レベルでないと使えないと思い込んでいるのかもしれません。
 確かに、P2Mは日本再生を目指して作成されたプログラム&プロジェクトに関するマネジメント体系ですので、大企業や国家レベルでの使用にも対応できるように構成されています。しかしながら、決して大企業専用ではなく、中堅・中小企業や個人レベルのプログラム&プロジェクトにも対応できように作られているのです。目標に対してすべきことを示しているだけですので、目標の中身が異なる個人レベルと大企業レベルの実際のプログラム計画を比べたらで、全く異質なものになります。大企業レベルの計画を見て、個人のプログラムではやれそうにないと思ったのだとしたら、勘違いも甚だしいということになります。勘違いする人が少しでも減るように、P2Mの普及に努めねばと思う今日この頃です。
以上

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