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「エンタテイメント論」(213)

川勝 良昭 Yoshiaki Kawakatsu [プロフィール] :2月号

エンタテイメント論


第 3 部 エンタテイメント論の応用

1 序
●「信得(しんとく)」の僧侶からの教え=先ず信じ、受け入れ、次に行動せよ!
 前号の末で、「信得(しんとく)」を叶える方法は他にないのか? また筆者が定義&造語した「心得(しんとく)」とは何の事か? 本号で論じると約束した。順を追って解説する。

 僧侶に「教え」を乞い、「信得(しんとく)」を叶える事に挑戦する弟子や信者、更に筆者も含めた一般人は、僧侶から「先ず信じて、受け入れ、次に行動せよ!」と説かれる。

出典:信じる事
出典:信じる事
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 さて「信じて、受け入れ、行動する事」を現実の場面に当て嵌めてみると数多くの事が想起される。例えば、或る人物が「或る事業プロジェクト(PJT)」に挑戦する場面を想定しみよう。

 この人物は同事業PJTの実現と成功を目指して「行動」を開始する。しかし現実には思い通りに推進できない事が極めて多い。その時、実現しないのではないか?と「疑う心」が自然に芽生える。疑う心が一度でも芽生えると、どうしても「本心、本気、本音」の「行動」が難しくなる。

 しかし本人は思い直し、頑張って行動を続ける。それでも「どうしてよいか分からない場面」や「少しも具体的な効果を感じられない場面」などに遭遇する。その結果、やるべき行動が疎かになり、「信じられない」状態のまま続け、「行動」の可なりの部分を放棄する。こうなると「信得(しんとく)」を叶える方法は他になくなる。

●「信得(しんとく)」の教えとPM(Project Management)の教え
 信得(しんとく)の教えを説く僧侶は、具体的な解決策を説かない。どこまでも「先ず信じて、受け入れ、次に行動せよ」と説く。
 一方事業PJTの課題や問題に圧倒され、如何に解決するか? 日々苦悩・苦闘する人物は放置される。

 既述の通り、各種の事業PJTを推進する過程で「どうしてよいか分からない場面」や「少しも具体的な効果を感じられない場面」などが数多く発生する。此の様な場面に直面した人物にPM(Project Management)は大いなる解決策となる。またPMAJ(日本プロジェクト・マネジメント協会)は様々な「具体的な解決策」を提示している。

●疑う心100%排除と信じる心100%維持に依って物事を100%実現と100%成功
 さて世の中は広い。色々な性格、資質、思考特性、行動特性などを持った人物がいる。「信得(しんとく)」の僧侶の説く「疑心ゼロ」、「信心100%」を抱く人物が実在しても不思議はない。

出典:疑う心と信じる心
出典:疑う心と信じる心
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 この様な人物は、現実の世界で「疑う心を100%排除」し、「信じる心を100%維持」する行動をする。その結果、「或る物事(EX 事業PJT)」を100%実現させ、100%成功させる。もしそうなれば「信得(しんとく)」の教えは正しい事になる。

 本当だろうか? 「疑心ゼロ」、「信心100%」を抱く人物は「100%実現」「100%成功」を成し遂げる事が出来るのか? 筆者の知る限り、此の様な成功事例を聞いた事はない。また此の様な成功事例を科学的に実証的に研究した学者の事も、筆者の知る限り、知らない。

●日本の宗教(神道や仏教)やそれ以外の宗教(キリスト教など)の教え
 「信得(しんとく)」の教えを含み、日本の宗教の神道や仏教の数多くの宗教法人に於いて、弟子、信者、教えを信じる者達は、自分自身で「修行」を行い、自分自身で「悟り(真理を掴む事)」を掴む事を求められている様である。

出典:神道と仏教
出典:神道と仏教
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 一方日本の宗教以外の宗教、例えば、キリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教、ユダヤ教なの宗教では、自分自身で「修行」を行い、自分自身で「悟り」を掴む事を求められているのだろうか?

 もし求めているとすると、人類が生み出した多くの宗教の教えは、個人の努力(修行)に依る成功などの真理獲得(悟り)を共通の「基本理念(コンセプト)」としている事になる。しかし筆者には分からない。もし読者諸兄が知っていたら、是非教えて欲しい。

●日本の宗教の実態
 因みに日本の宗教は、神道と仏教が多数を占めている。現在の日本で「信教の自由は、何人に対してもこれを保障する(日本国憲法第20条)」と定められる。しかし国教は定められていない。

 さて日本の宗教法人の数は、2020年(令和2年)12月31日現在、総計180、544法人。文部科学大臣所轄の宗教法人は、神道系212法人、仏教系483法人、キリスト教系328法人、その他124法人。都道府県知事所轄の宗教法人は、神道系84、361法人、仏教系76、572法人、キリスト教系4、492法人、その他13、972法人である。

●「本物の夢」を持った人物とは?
 さて筆者は、30数年前、「夢工学」を構築する際、苦悩、苦闘した事があった。其れは或る人物が「本心、本気、本音」で「夢」の実現と成功に挑戦しているのか否か? 言い替えれば、「本物の夢」の追究をしているのか否か? どの様に判断すれば良いのか?幾ら考えても分からなかった事だった。

 そして遂に完全に暗礁に乗り上げた。筆者は仕事をしていても、家庭にいる時も、何かのキッカケであたかも座礁船の中に住んで助けを求めている様な錯覚にとらわれた。そして「はっ!」と我にかえった事が何度もあった。そして月日は経過するばかりであった。

出典:座礁船
出典:座礁船
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●エルビス・プレスリーの歌と本物の夢
 筆者が「夢工学」の最も肝心な箇所が分からず、その全体構築を阻まれ、座礁船に乗って助けを求めていた日々の「或る日」、「或る時」、「或る曲」を聞いた。

 その瞬間、「或る事」を「直感」した。次の瞬間、「長い間の悩み」が一気に消えた。

「或る曲」とは、エルビス・プレスリーが「恋人」を慕い、全身全霊で唄い、世界的にヒットした歌、
「I Want You、I Need You、I Love You」であった。

出典:Elvis_Presley
出典:wikipedia.org/wiki/Elvis_Presley and &Elvis Presley | Songs, Movies, Manager,
Grandchildren, House, Death, & Facts | Britannica

 「或る事」とは、寝ても覚めても、「あの人(You)」を想う恋人への「熱情」と同じ「熱情」を「夢」に抱いている場合、その「夢」は「本物の夢」であると云う事であった。まさに「本物の夢」の発見であった。

 此の事は自分の青春時代の初恋などの事を思い起せば、誰しも分かることだ。また現在、恋焦がれる人がいて、どうしようと悩んでいる自分を思えば、誰しも分かることだ。何故、此の事に気付かなかったのだろうと思った。

 恋人に好かれるため全身全霊で「優れた発想(アイデア)」を生み出し、それに基づく「優れた発汗(行動)」を命懸けで実行する。しかし巧くいかず失敗する。其れでも挫けず、再挑戦する。何度失敗しても諦めず、頑張り抜く。そして遂に恋の成就の「夢」を成し遂げる。これぞまさに恋愛に於ける「夢・成功一貫達成」である。事業PJTも、恋愛PJTも、その本質は同じである。

出典:愛の達成
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出典:愛の達成、事業PJTの達成
出典:事業PJTの達成
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 さて「或る曲」が「或る事」を直観させた今回のエルビス・プレスリーのエピソードは、2度目の不思議な体験であった。1度目の不思議な体験がある。その時の「ある曲」とは、ディズニー映画「ピノキオ」の主題歌 When You Wish Upon A Star, Your Dreams Come True(もしあなたが星に願いをすれば、あなたの夢は叶う)」であった。

 「或る事」とは、成功と失敗を分ける根源要因は「夢の存否」である事に気付かされた事であった。筆者の個人的な「正否研究」の膨大な資料に登場した多くの成功者と失敗者は、異日同音に語った。「夢」があったから失敗の逆境を乗り越えて成功できた。「夢」があったから極限まで知恵を絞り、頑張って「夢」を叶える事が出来たと語った。

 まさしく「夢の発見」であった。2度の不思議な体験で夢工学は完成した。此の事の詳細な解説は紙面の関係で割愛する。夢工学の専門書を参照して欲しい。

●筆者の「夢」の変質と新たな現象
 「疑心ゼロ」、「信心100%」の話題に戻る。「或る物事(EX 事業PJT)」を新しく実現させ、成功させるため「全身全霊」また「命懸け」で挑戦し、成功させた人物は世の中に数多くいる。彼等に是非、「疑心ゼロ」と「信心100%」に依って100%実現と100%成功が可能か? 尋ねて欲しい。

 そう望む筆者も、実は「全身全霊」で「或る物事(EX:事業PJT)」に挑戦し、また「命懸け」で「別の物事(EX:人生を左右する家庭再建PJT)」にも挑戦し、成功させた。筆者にも尋ねて欲しい。

 尋ねた彼等の答えは、恐らく下記の通りであると予想する。また筆者に尋ねられたら、この予測と同じであると答える。此の答えは、単純明確である。「或る物事」に挑戦した時、実現させる事ができるか? 成功させる事ができるか? 誰しも不安、心配、「疑い心」を持ち「信じる心」を100%維持は至難中の至難。その様に出来たとしても、100%実現、100%成功は別問題である。

 上記の「或る事」、「夢」があったから失敗の逆境を乗り越えて成功できた。「夢」があったから極限まで知恵を絞り、頑張って「夢」を叶える事が出来たと語った。この「夢」は「成功100%を信じる心の夢」ではない。「夢」は成功しないかもしれないと疑い、挫けそうになり、諦めそうになる。それでも思い直し、何としても自分の「夢」を実現させたいと「熱望」する切なる思いの「夢」である。

 筆者の長い人生で 「疑心ゼロ」、「信心100%」の考え方を持って行動した事は一度も無い。特に筆者が企業人として過去に挑戦した様々な事業PJTに於いては、真逆の「疑心100%」、「信心ゼロ」での挑戦となり、苦悩と苦闘の連続であった。

 しかし筆者は苦悩を味わい、味わう程、苦闘を続け、続ける程、不思議な現象が心の中に湧き起こった。それは当該事業PJTを実現させ、成功させる事が筆者自身の「夢」の1つに「変質」した事であった。

 更に不思議な事が起こった。それは「変質した夢」を是が非でも叶えたい「情熱」が「優れた発想(アイデア、解決策)」を次々と生み出し、それを具現化&実現化する「優れた発汗(行動)」を生み出した事であった。この2つの事は何と部下達との考えや行動を共有する事に好影響まで齎した。此の「必然的帰結」として当該事業PJTは実現し、成功した。

●筆者の定義&造語した「心得(しんとく)」
 筆者が「心得(しんとく)」と定義&造語した内容とは何か?

出典:心得(しんとく)
出典:心得(しんとく)
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  1. 1 此れ、即ち「心得(しんとく)」は、一語で述べると、「夢工学式心得(しんとく)」の事である。
  2. 2 此れは、「夢は叶う(実現&成功)」と「信じて、受け入れ、行動しろ!」と説いたり、強制したりする事は一切ない。
  3. 3 此れは、恋人を恋焦がれる熱情と同じレベルの熱情を「夢」を叶える事(実現と成功)に抱き、「命懸け」で「夢」の挑戦する人物が「本物の夢」を持っていると説く。
  4. 4 此れは、「夢」を含む「或る物事(EX:事業PJT等)」を、夢工学の「在り方(基本的考え方)」と「やり方(具体的方法論)」に基づいて「未来仮説設定・現在強制実現法(Back To The Present)」で実現させ、成功させる事を云う。
  5. 5 自分の「夢」や自社の「夢」などの実現と成功を目指す人の多くは、意識的又は無意識的に「現在から未来」を思考し、現在の時点で「あり得る物事」を基に未来の「夢」を叶える様と行動する。しかし夢工学は其れとは真逆の思考と行動を説く(参照:夢工学)
  6. 6 未来仮説設定・現在強制実現法とは、「夢」が未来で実現し、成功した状況を「取らぬ狸の皮算用」と否定せず、言葉、絵、数値、図面等で可能な限り仮説でも想像力を働かせ、詳細に大用紙に描く。PCでは画面が小さくダメ。筆者が経営支援指導する某企業で開発させた「KKボード」を活用する事を勧める)。この仮説全体像を現実の世界で実現させ、成功させる方法を見付ける。無ければ創造する事で未来の仮説を現実化する。
  7. 7 現在から未来を設定する「現在仮説設定・未来強制実現法(Back To The Future)」より、未来から現在を設定した方が遥かに効率良く、実現性など高い事を多くの日本人は認識していない様である。

出典:Back To The Future、BackToThePresent

  1. 8 此れは、「夢」から「成功」を目指し、「夢・成功一貫達成」を成し遂げた人物が「夢」が持つ重要性と必要性を新ためて認識し、「夢こそ、全て」であると本人が「悟る」ことを説く。
  2. 9 此れは、「体得(たいとく)」と併存する問題解決の「在り方」と「やり方」を意味する。
  3. 10 此れは、「心得(こころえ)」が説く内容とも、「信得(しんとく)」が説く教えとも異質である。

つづく

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