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何でも屋さん?!

プラネット株式会社 中西 全二 [プロフィール] :6月号

 今回は「プロマネって何?」を考えてみた。

 まず、プロマネの定義を確認しよう。
PMBOK®第6版では以下のように定義されている。
プロジェクト・マネジャー (PM: Project Manager).
「母体組織によって任命された人で、チームを率いてプロジェクト目標を達成する責任を負う。」
 The person assigned by the performing organization to lead the team that is responsible for achieving the project objectives.

PMBOK®第7版では以下のように定義されている。
「母体組織によって任命された人で、プロジェクト・チームを率いてプロジェクト目標を達成する責任を負う。プロジェクト・マネジャーは、成果を上げるためにプロジェクト・チームの作業を促進し、意図した成果を生むためにプロセスをマネジメントするなど、さまざまな職務を遂行する。」

さらに本文中には以下のような記述がある。
  • プロジェクト・マネジャーは、組織が変化に備えるための独自の役割を担っている。
  • プロジェクト・マネジャーは、関連ステークホルダーと協力し、抵抗や疲弊感、変化の吸収に対処する

12の原理・原則の記述は以下の通りである。
  1. ▶ 勤勉で、敬意を払い、面倒見の良いスチュワードであること
  2. ▶ 協働的なプロジェクト・チーム環境を構築すること
  3. ▶ ステークホルダーと効果的に関わること
  4. ▶ 価値に焦点を当てること
  5. ▶ システムの相互作用を認識し、評価し、対応すること
  6. ▶ リーダーシップを示すこと
  7. ▶ 状況に基づいてテーラリングすること
  8. ▶ プロセスと成果物に品質を組み込むこと
  9. ▶ 複雑さに対処すること
  10. ▶ リスク対応を最適化すること
  11. ▶ 適応力と回復力を持つこと
  12. ▶ 想定した将来の状態を達成するために変革できるようにすること

全部できていたら、「超スーパープロマネ」だろう。

 遠い昔に、私がPMI北米大会に参加した時も、「プロマネはマネージャーであれ!」、「プロマネはリーダーであれ!」、「プロマネはコーチであれ!」、「プロマネはメンターであれ!」などなど、たくさん、述べられていた。まるで、なんでも屋さんだ(-_-;)
しかし、唯一、「プロマネはメンバーであれ!」とは言っていなかった!
これこそが重要である。

 「プロマネ」は「メンバー」ではないのである!
まさか、メンバーの仕事をして、「プロマネ」気分になっているひとはいないだろうか?
プレーイングマネージャーとか言って、「メンバーとプロマネを兼任できる」ゆるい時代はとっくに終わっているのである。もちろん、夜中まで頑張っている日本の「プレーイングマネージャー」を否定しているわけではない。

さあ、締めくくろう!
一度になんでも屋さんになる必要はない。
12の原理・原則をひとつずつこなしていけばよいだろう。

そして、13番の原理・原則を追加しよう。
 『メンバーを「その気』にさせ、メンバーに「憧れられる」プロマネになろう』である。
 そうすれば、メンバーは「憧れのあなた」を目標に、プロマネにチャレンジするだろう。

 「プロマネなんかになりたくない!」というメンバーを、「あなたのようなプロマネになりたい!」と思わせるのも、プロマネのあなたにしかできない大切な任務なのである。

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