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啐啄同時 (そったくどうじ)

プラネット株式会社 中西 全二 [プロフィール] :6月号

 休日に、ふと、三省堂大辞林を眺めていたら、「啐啄同時」という言葉に出会った。
  (注:辞書を読んでいたわけでも、引いていたわけでもない)

啐啄同時
禅で、機が熟して悟りを開こうとしている弟子に師がすかさず教示を与えて悟りの境地に導くこと。
啐啄
〔「そつ」は「啐(さい)」の慣用音。雛(ひな)がかえろうとするとき、雛が内からつつくのを「啐」,母鳥が外からつつくのを「啄」という〕
禅において、師家と修行者との呼吸がぴったり合うこと。機が熟して弟子が悟りを開こうとしているときにいう。
得難いよい時機。

具体的に言えば、
<1> まず、雛鳥が卵の殻を内側からつつく 「啐」
<2> 親鳥が卵の殻の同じ部分を外側からつつく「啄」
<3> すると、卵の殻が割れて、無事に雛鳥が出てくる

このことから、私は以下のことを感じた。
初めに、雛鳥がつつくこと
その状況をきちんと把握している親鳥が同じ場所をつつくこと
両者が、この順番で存在して、初めて、雛鳥がでてこられるのだ。
雛鳥につつく意欲がなければ、何も始まらない。
親鳥の適切なサポートがなければ、雛鳥は出てこられない。
雛鳥をメンバー、親鳥をプロマネとみなすと、とても興味深い。

プロジェクトの現場にて、
 意欲のないメンバーを無理やり指導してつぶしているプロマネ、
 メンバーのやる気を察知できずに、忙しいふりをして放置しているプロマネ
どちらも困ったものである・・・

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