サムライPM (020) 共創マネジメント
~共創=共同の構想+共同の意思+共同の行動~
新年おめでとうございます
本年もよろしくお願いします
今号では「武道と士道の系譜」をお休みし、
新年の抱負を述べたいと思います。
1.共創
「共創」とは、「共同の構想 (Shared Concept) 」と「共同の意思 (Shared Plan) 」と「共同の行動 (Shared Action) 」からなる事業のことです。単独 (個人又は分野) では成しえない有効解を、多様な異分野から集まった個体間の相互作用の結果、システム全体として新たな有効解を創出することを言います。
2.共創マネジメント
多様性の中の対立・矛盾をエネルギーとして、更なる創造的な関係を積極的に生み出し、 持続可能な社会を実現することが、 21世紀の最大の課題となりつつあります。このような複雑で困難な問題に対処し、 21世紀社会を実現していくアプローチとして、「共創マネジメント」を提案します。共創マネジメントは、「共創エンジン (P3M) 」と「共創インフラ (p3m) 」からなり、下記のような構成を持ちます。
共創マネジメント = 共創エンジン (P3M) + 共創インフラ (p3m)
= ① Profiling Management (プロファイリングマネジメント)
+ ② Program Management (プログラムマネジメント)
+ ③ Project Management (プロジェクトマネジメント)
+ ④ process management (プロセスマネジメント)
+ ⑤ people management (ピープルマネジメント)
+ ⑥ platform management (プラットフォームマネジメント)
「共創」とは、「共同の構想」と「共同の意思」と「共同の行動」からなる事業ですから、
共同の構想を、① Profiling Management (プロファイリングマネジメント) が、
共同の意思を、② Program Management (プログラムマネジメント) が、
共同の行動を、③ Project Management (プロジェクトマネジメント) が、担います。
3.プロファイリングマネジメント (Profiling Management)
プロファイリングマネジメントとは、「共同の構想 (Shared Concept) 」を「プログラム憲章 (Why to do?) 」として炙り出していくフレームワークです。
プロファイリングマネジメントのフレームワークは、To-Be Model という望ましい状態と、As-Is Model という現在の状態があり、As-Is からTo-Be に到達するにはいろいろな道筋 (シナリオ) があるという考え方です。この考え方によれば、問題解決とは To-Be と As-Is をはっきりさせ、As-Is と To-Be の差を解消するための最善の手段を選択する (Gap Analysis) ことであるということです。その体系は下記のようになります。
1. |
環境分析 |
1.1 |
外部環境分析 |
1.2 |
内部環境分析 |
2. |
As-Is モデル / To-Be モデル |
3. |
STPモデル (Segmentation / Targeting / Positioning) |
4. |
プログラム憲章 (Program Charter) |
4.1 |
目的 (Vision) |
4.2 |
目標 (Mission) |
4.3 |
方針 (Scope) |
4.プログラムマネジメント (Program Management)
プログラムマネジメントは、「共同の意思 (Shared Plan) 」を「プログラム計画書 (What to do?) 」として明確にし、共有するためのフレームワークです。
プログラム (Program) とは、全体使命を実現する複数のプロジェクトが有機的に結合された事業です。プログラム憲章で与えられた、全体使命 (Holistic Mission) を達成するために、外部環境の変化に対応しながら、柔軟に組織の遂行能力を適応させる実践力です。その実践力の役割は、プロジェクト間の関係性や結合を最適化して全体価値を高め、使命を達成する統合活動にあります。その体系は下記の通りです。
1. |
ミッションプロファイリング |
2. |
プログラム戦略マネジメント |
3. |
アーキテクチャマネジメント |
4. |
コミュニティマネジメント |
5. |
アセスメントマネジメント |
6. |
プログラム統合マネジメント |
5.プロジェクトマネジメント (Project Management)
プロジェクトマネジメントは、「共同の行動 (Shared Action) 」のための実行計画を「プロジェクト計画書 (How to do?) 」として明確にし、実行するフレームワークです。
プロジェクト (Project) とは、特定使命 (Specific Mission) を受けて、始まりと終わりのある特定期間に、資源、状況など特定の制約条件のもとで使命達成を目指す、将来に向けた価値創造事業です。使命を達成するために有機的なチームを編成して、プロジェクトを公正な専門的手段で効率的、効果的に遂行して、確実な成果を獲得する実践的能力の総称です。その体系は下記のようになります。
1. |
プロジェクトデザイン (立ち上げ) |
2. |
プロジェクト計画 |
3. |
プロジェクト実行 |
4. |
プロジェクト調整 (監視コントロール) |
5. |
プロジェクト成果 (終結) |
6.共創マネジメントとサムライPM
日本人が当たり前に持っていた価値観が失われ、それに代わるものが、金銭的なもの以外には無いというような、薄っぺらで不安定な世の中になってしまいました。自分の利益や主義主張のためには何でもありの、混沌とした時代になり、その行く末が危ぶまれます。このように環境が激しく変わる中では、スキルやコンピテンシーよりももっと深いレベルの世界観、人生観、価値観、人間観、仕事観、労働観、キャリア観、といった歴史的、社会的、文化的、心理的な深層にまで立ち入る必要があるかもしれません。
この「サムライPM」で、「サムライ、武士、武士道」について考察する意図も、歴史上のロールモデルやメンタルモデルを再考することで、ビジネスモデルの変化と個々人に求められる役割や能力の変化を学びなおす作業に他なりません。偏狭なナショナリズムに陥ることなく、グローバルな普遍性を求めるという姿勢で、日本人の精神風土といわれる「武士道」を整理し直したいと思います。その結果を上記の「共創マネジメント」と統合することで、21世紀型マネジメントのあり方を提案していきたいと考えています。
未だ途上ですが、自らのルーツを辿るような作業に、ささやかな喜びもあります。
あれになろう、これになろうと焦るより、
富士のように黙って、自分を動かないものに作り上げろ。
世間に媚びずに世間から仰がれるようになれば、
自然と自分の値うちは世の人がきめてくれる。
(宮本武蔵)
(参照サイト)
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