01. |
世々の道をそむく事なし (それぞれの道に背かない) |
02. |
身にたのしみをたくまず (自分自身の快楽を追い求めない) |
03. |
よろづに依枯 (えこ) の心なし (あらゆる面で頼り切る気持ちを持たない) |
04. |
身をあさく思、世をふかく思ふ (自分のことより世の中のことを深く考える) |
05. |
一生の間よくしん (欲心) 思わず (なにごとにも執着心を持たない) |
06. |
我事におゐて後悔をせず (自分で為したことについて後悔することはしない) |
07. |
善惡に他をねたむ心なし (善いことも悪いことも他人に嫉妬心をもたない) |
08. |
いつれの道にも、わかれをかなしまず (どんな場合でも別れを悲しまない) |
09. |
自他共にうらみかこつ心なし (自分にも他人にも不平不満を持たない) |
10. |
れんぼ (恋慕) の道思ひよるこゝろなし (恋愛感情でゆく道に影響されない) |
11. |
物毎にすき (数寄) このむ事なし (それぞれに好き嫌いを持たない) |
12. |
私宅におゐてのぞむ心なし (住む場所に贅沢しない) |
13. |
身ひとつに美食をこのまず (美食家にならない) |
14. |
末々代物 (しろもの) なる古き道具を所持せず (骨董の類を持たない) |
15. |
わが身にいたり物いみする事なし (自分に関わる迷信を信じない) |
16. |
兵具は格別、よ (余) の道具たしなまず (武具は別として余計なものを持たない) |
17. |
道におゐては、死をいとわず思ふ (我が道において死を恐れない) |
18. |
老身に財寳 (宝) 所領もちゆる心なし (過分な贅沢品や財産は持たない) |
19. |
佛神は貴し、佛神をたのまず (神仏は敬うが神仏を頼りとはしない) |
20. |
身を捨ても名利はすてず (死を賭しても向上心を失わない) |
21. |
常に兵法の道をはなれず (常に武士道を離れない) |