PMプロの知恵コーナー
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「エンタテイメント論」(53)

川勝 良昭 Yoshiaki Kawakatsu [プロフィール] :8月号

エンタテイメント論


第2部 エンタテイメント論の本質

3 笑い
●「ゴリラの鼻くそ」の岡伊三郎商店の岡社長
 先月号で紹介した「ゴリラの鼻くそ」の連載記事がサプライズを起こした。それは、この商品を作った岡伊三郎商店「岡 和正」社長から突然の電話を筆者が受けたことである。

 同社長と電話でいろいろ興味深い話をさせて貰った。彼は時々東京に出張する。その機会に都内で会って、いろいろ話をしようと約束を交わした。その後、直ぐに同社長から「ゴリラの鼻くそ」の黒大豆甘納豆が筆者の自宅に送られて来た。これもサプライズであった。

 本稿を借りて同社長に礼を述べたい。また本稿を借りることに読者からの許しを得たい。筆者は、早速、家族皆で「笑い」ながら、美味しく味わった。読者も「笑い」ながら、是非味わって欲しい。美味である。健康にも良い食品だ。

出典:黒大豆甘納豆 (有)岡伊三郎商店 (島根県出雲市) 出典:黒大豆甘納豆
(有)岡伊三郎商店
(島根県出雲市)
URLは  こちら

 食べ物や飲み物に「気持ちが悪い」、「不潔」な名前を絶対に付けてはならないという「絶対(禁止)原則」がある。しかしそれに反する事を敢えて断行し、成功させた岡社長は凄い人物である。彼と会うのが今から楽しみだ。有意義な会合になるだろう。もし彼の了解を得ることが出来れば、その会合結果を本稿で明らかにしたい。また彼から下記の「エンタテイメント商品」に関する意見やアイデアを是非聞きたいと思っている。

●笑い、感動、夢を引き起こす「エンタテイメント商品」
 筆者は、外出先で時間があると、都内の面白そうな物販店をのぞく。洋服や靴などを買うのではなく、またウインドーショッピングなどという洒落たことをするためでもない。それは、標記の「エンタテイメント商品」を探すためである。

 東京駅の地下街に玩具やキャラクター商品(雑貨も含め)を売る店が沢山軒を並べている。レゴ、スヌーピーなどの玩具店の他にNHKや民間テレビ局までが出店している。TV俳優やTVアニメ・キャラクターの人形などを売っている。

 しかし笑い、感動、夢を引き起こす様な所謂「エンタテイメント商品」は、意外に少ない。特に「笑い」を引き起こす商品は殆どない。人気歌手、人気芸人、人気アニメ主人公などの「確立した人気」に依存し、彼らを「人形」、「絵」、何らかの「形」に変換した商品が極めて多い。新商品開発の場合、その計画(開発)~生産体制(建設)~販売&利益確保(運営)の3つの観点から事業計画(戦略)を決断せねばならないが、利益確保の観点から、どうしても確立した人気に依存するのは当然であろう。しかしそれしても今一つ「ひねり」や「創意工夫」が加わって欲しい。

●エンタテイメントの世界で最も難しい演技は?
 さて映画、TV番組、演劇などのエンタテイメントの世界で最も高度で最も難しい演技は何か? クイズをしている訳ではないが、ちょっと考えてみて欲しい。

 それは、芸術性の漂う演技、リアルな迫真の演技、涙を流して訴える演技などが難しい演技と思っているのではないか。またその様な演技が出来る人物を高く評価しているのではないか。本当にそうであろうか? リアルで迫真の演技は、素人でも出来る場合がある。涙を流して訴える演技は、子供でも出来る場合がある。しかし素人や子供では絶対に出来ない、この世で最も難しい演技がある。

 それは、人を笑わせ、面白くて涙まで出させる演技である。人間の深層心理を知り、本論で主張する「理性」と「感性」を同時同質に発揮する演技である。従って刹那的な笑い、薄っぺらな笑いなどを産み出す「お笑いタレント」の演技を意味していない。しかしお笑いタレントの中で笑わせる能力に長け、凄い人気のあるタレントはいる。その様な人物は、人の知らないところで、一生懸命「笑い」を生み出すための創意工夫と研究を行っている様だ。

 大した演技も出来ないのに人気に乗った自称「映画俳優」、自称「演技女優」よりも、刹那的で薄っぺらい笑いしか生み出せないお笑いタレントの方が実は演技力は上なのである。筆者が最も主張したいことは「笑い」を生み出すことは、「お涙頂戴」よりも遥かに難しいことなのである。それにしても日本では、笑いを生み出す演技者への評価が相対的に低いのは何故であろう。

●世界の優れた「笑い創造者」
 人を笑わせるという最も難しい演技が出来る俳優は、世界で探してもそれほど大勢いない。それだけ難しいからだ。

 その筆頭はチャールズ・チャップリンであろう。彼は、人を笑わせるだけでなく、人間の本性を浮き彫りにした名優中の名優であった。
出典:チャールズ・チャプリン www.k40s.org 出典:チャールズ・チャプリン

左:www.k40s.org

右:www.taringa.net
出典:チャールズ・チャプリン www.taringa.net

 現在、人を笑わせる優れた才能を持った演技者は、世界で探しても、やはりそれほど多くはいない。その中の筆頭は、「エディー・マーフィー」ではないかと思う。

 彼は、「ビバリーヒルズ・コップ」の様な喜劇映画だけでなく、「ドリーム・ガールズ」の様な非喜劇映画でも見事な演技を行い、素晴らしい歌を聞かせてくれた。また「ナッティ・プロフェッサー」の映画では一人で数役の全く違ったキャラクターを演じてみせた。まさに天才的な才能の持ち主である。アカデミー男優賞を獲得して欲しいものだ。
出典:映画ビバリー・ヒルズ・カップ 出典:映画ドリームガールズ 出典:映画ナッティープロフェッサー

 日本の優れた喜劇俳優であり、非喜劇映画でも活躍した人物は、それほど多くはない。今回は紙面の関係から省略した。この際、読者の方で「誰がその様な人物か?」考えて欲しい。

●エンタテイメント商品の中の「笑わせる商品」
 上記の通り、涙を流して「笑わせる演技」は最も難しい演技である。それと同様に「笑わせる商品」は、新商品開発の中で最も開発が難しい商品である。その証拠にこの種の商品は市場であまり多くない。「笑わせる商品」の開発に成功すれば、間違いなく売れる。何故なら、「笑い」の効用が極めて大きいからだ。

 現在、公表されている「笑わせる商品」や「面白い商品」の一部を紹介する。是非、これらを参考にしてもっと「笑わせる商品」や「面白い商品」を考案し、商品化してはどうだろう。

出典:笑の折り紙  出典:笑の字

出典:ドッグカツラ  出典:笑う門には福来たる


出典:楽しい鉢  出典:笑い袋プロジェクト子ども


出典:笑うブッダの親指  出典:英国喜劇役者ビーン


つづく
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