例会部会
先号  次号

「第155回例会」報告

PMAJ 例会部会 斎藤 雅敏:12月号

【データ】
開催日: 2011年10月28日(金) 19:00~20:30
テーマ: ベーコンエッグを食べながら考えたリーダーシップ
~リーダーシップで失敗を重ねた僕がたどりついた結論~
講師: 株式会社フェイスホールディングス 代表取締役 小倉 広 氏

 今回の例会では、小倉様よりご自身の体験に基づくリーダーシップのあり方、リーダーとして気を付けるべき事、コミュニケーションの取り方についてご講演を頂きましたので、概要をご紹介致します。

○ リーダーのあり方
1) 部下は上司の鏡。部下のレベルがリーダーの器。
「オレは出来るが、お前たちは、なんで出来ない!」と言うのは根本的な間違い。
プレーヤーとして一流。ではリーダーとしては…?
リーダーはプレイヤーではない。チームで結果を出すことが重要である。
「僕が若手の時はこれくらい出来たけど?」…だから“リーダー”になれた。
 ⇒出来るのなら、みんなリーダーになっている

☆リーダーの定義とは
 リーダー…他人の力で結果を出す
 プレイヤー…自分の力で結果を出す
「部下のレベルが自分のレベル」…部下がどれだけ結果を出すか、がリーダーの評価になる。

2) 青い鳥はいない。あなたのすぐそばにいる。
「もっと優秀な人材はいる筈だ。昔の場所には居たからだ」
人材に恵まれていないと感じる時、つい言いがちの言葉。
“今いるメンバーがベストである“ そう覚悟しないと永遠に勝てない。部下も育たない。

「上司は部下を見抜くのに3年かかる。部下は上司を3日で見抜く」
いくら気持ちを隠していても、部下には丸見えである。

3) 自分の心に灯をともせないから部下は部下。
「やる気のある奴はいくらでも教える。やる気のない奴は捨てる」
リーダー職によく聞かれる言葉である。俗に262の法則と言われている。優秀2割、平均6割、下位2割、と言うわけだ。そして優秀な2割は勝手に育つ。勝手に育つものを育てるのは、はたしてリーダーの仕事なのだろうか?

残り8割を育てるのがリーダーの仕事、のはずである。

4) 伝えたのに…は何もしていないと同じこと。
「僕、みんなにルールだから日報を書けと言ってるんです。でもあいつらは書かないんです。どうしましょう、困りますね」
言ったのにやらないのはメンバーのせい。
正論を吐けば、みんなやる、はず。

リーダーの仕事とは?…やるべき事(must)、やる気(want)、出来る事(can)の重なりが重要。ところが上の例では must、must、mustしか言っていない。…これではリーダーの仕事をしていない。
リーダーの仕事の99%はwant & canを作ること。それが大事。

ヒトの一番のモチベーションリソースとは?…「誰かの役に立つこと」である。

5) 教えることは部下否定。
「魅は与によって欲し求によって滅す」
ヒトは何かを与えると魅力的になる
ヒトに何かを求めると消えていく

リーダーから見た視点
ノウハウを部下に与えている、つもり。
教えれば教えるだけ部下に喜ばれると思っていた。
部下から見た視点
自己否定されている…リーダーは自分のやり方を否定している
押し付けている…リーダーは自分にリーダーのやり方を求めている

教える事は、ある意味、部下を否定する側面がある。
判ってやるのと知らないとでは、すごく違いがある。

○リーダーシップを決める3原則
1) 相手を大切にする
人は誰でも大切にされたい。おろそかにされる、馬鹿にされるとイヤになる。
大切にされると信頼が増す。けなされると信頼がなくなる。
2) 自分を指す…自責と他責
他責は信頼をなくす。自責は信頼を得る。
僕は頑張ってるけど、部下がだめなんです。…他責…部下の信頼なくす、上司にも認められない
俺が悪いから部下はついてこないかなぁ。…自責

ヒトの9割は他責である。自分が他責であることに気が付かない。後後苦しいのは他責。
過去と他人は変えられない。未来と自分は変えられる。
※矢印が相手(外)に向くと辛くなる。全部自分(内)の問題と受け取ると、心が静かになる

3) 誠実である。
倫理観に近い。実は曲者。何故か。
リーダーが自己を採点した場合、「誠実である事」に高い点を付ける人が多い。
だが果たして本当か…?

☆ 問題
a) 当日の朝、「欠勤します」と部下から電話が来た。 ○か×か。
b) 後輩を連れて飲みに行った。おごった。その場で「ごちそうさまでした」とお礼。
だが、翌日の朝には何もなかった。 ○か×か。

上記の問題を考えた場合、○か×か、人によって評価は分かれると思う。
“それが”倫理観である。 自己が「誠実である」と思っていても、部下は思っていないかも知れない。

倫理観は厳しい…倫理観の部分にて部下からダメ出しくらうという事は、生理的に嫌われてしまう、と同義である。そして倫理観は人間の根本なので、誰も教えない。

○ 最後に
リーダーの在り方、指導方法のみならず「辛くない生き方」のエッセンスも教えて頂いた気がしました。
講師の小倉広さんは、ほぼ毎日メールマガジンを発行されています。
今回のご講演で紹介された体験はもとより、様々なアイデア、ノウハウがぎゅっと詰まったものです。ご興味をひかれた方は  こちら まで。
空メールを送信する事で、メルマガが配信されるようになります。
ページトップに戻る