トピックス(活動報告)

「PMシンポジウム2006が盛大に開催」

高橋 道夫:9月号

 恒例のPMシンポジウムが、先の8月31日と9月1日の両日、タワーホール船堀において開催された。今年は、「明日を創るプロジェクトマネジメント―次世代への進化とチャレンジ」をメインテーマとし、1300名強の参加者を集め盛大に行われた。

 まず開会の挨拶では特定非営利活動法人日本プロジェクトマネジメント協会の田中理事長が、主催者挨拶では財団法人エンジニアリング振興協会の関理事長が、来賓挨拶では経済産業省製造産業局国際プラント推進室の国友室長が、それぞれ挨拶された。今回の大会が始められて10回目にあたり、またこれまでで最大の大会であることが言及された。

会場風景(全体) 会場風景(全体)

 満員の大ホールでは、午前中二つの基調講演が行われた。基調講演1は、日本テレコム株式会社の倉重社長による「企業経営とプロジェクトマネジメント」と題し、今同社がダイナミックに進める社内組織をプロジェクト中心に改革する事例であり、大変興味あるものであった。基調講演2は、トヨタ出身で現名古屋工業大学の黒岩教授による「トヨタ生産方式(TPS)の本質とソフトウェア開発」と題するもので、TPSがソフト開発にも大きな影響を与えることを指摘する元気ある講演であった。

基調講演(倉重講師) 基調講演(黒岩講師)

 午後は7つのトラックに分かれた並行セッションで、今年は「日本の明日を創るPMトラック」が新しく設けられ、日本製造業の強みの源泉であるものづくりに対し、経済産業省ものづくり政策審議室の前田室長から、新しい政策面に関し講演いただいた。また製造の最先端事例として、シャープの液晶テレビ開発プロジェクトの事例につき発表があり、熱心な聴講者が参加した。その他のITトラック、エンジ・建設・不動産トラック、製造・サービストラック、ヒューマンリソーストラック、P2Mトラック、グローバルトラックでも、全般的に昨年を上回る参加者があった。また各トラックには、公募講演から選ばれた講演が一つずつ入って、特色を添えていた。
トラック講演風景

 初日の講演中および休憩時間中には、2階に設けられた展示会場にて、13企業・団体が各社の商品の紹介を行った。今年は展示会場にて、コーヒーおよびウーロン茶のサービスを行ったが好評のようであった。
展示会場風景

 夕刻の18時から2階会場にて、講師と参加者を交えての語らいの場としての懇親会が開催された。シンポジウムを支えたボランティア達のご苦労さん会も兼ねているので、皆でシンポジウムの成功を喜び合い、楽しい懇親の場となった。
懇親会風景

 9月1日のシンポジウム二日目は、セミナーおよびワークショップで形成され、午前半日または午後半日、あるいは丸一日の研修時間帯で、各自事前に申し込んだ講座に参加して学習するものである。19講座ある半数以上が、満席の状態であった。
ワークショップ風景

 これらシンポジウムの計画から実施・運営にいたる一連の活動を、PMAJでは「シンポプロジェクト」として、約1年間を掛けて多くのボランティアの協力で行っているのが、大きな特色です。
 シンポプロジェクトには、毎年新しい人達が入ってきます。プロジェクトの経験の無い人や少ない人は、そこでプロジェクトを経験し、学ぶことが出来ます。先輩からプロジェクトの進め方、コミュニケーションのとり方、リーダー会議のやり方等を実際に皆と参加して学べるだけでなく、シンポジウム開催のノウハウを知ることができます。ボランティア活動のやり方やマナーも学べます。人脈形成もできます。ここはプロジェクトの道場になっているのです。
 来年のシンポジウム(PMシンポジウム2007)の活動が、また11月からスタートします。新しく参加したい人、もっといろいろ活動したい人大歓迎ですので、事務局や近くの会員の人に申し込んでください。
以上