【基調講演-2】 イノベーション=協創=幸せ
9月3日  11:05  
 講演者 慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科
研究科委員長・教授 前野 隆司
 セッション概要 あらゆる問題が大規模・複雑化し解決困難化する現代社会では、様々な問題を俯瞰的な視点からとらえ、全体として整合性のある答えを導くことが不可欠である。このような問題を解決するための慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(慶應SDM)の取り組みについて概説する。まず、“イノベーションのジレンマ”について述べる。また、イノベーションのためには“賛否両論であること”が重要であることについて述べる。次に、21世紀型のイノベーションのためには“協創”が不可欠であることを説明する。また、講演者らが明らかにした幸福学の知見によると、協創によりイノベーションを起こすような人は幸せな人であることについて説明する。なお、筆者らが明らかにした幸せの心的な4因子とは、“自己実現と成長”“つながりと感謝”“前向きと楽観”“独立とマイペース”である。さらに、協創の手法として近年注目を集めている“デザイン思考”の潮流についても説明する。慶應SDMにおける協創に基づくイノベーションの事例も示す。最後に、全体が調和する幸せな社会についての講演者の考えを述べる。
参考図書:『システム×デザイン思考で世界を変える―慶應SDM「イノベーションのつくり方」』(日経BP、2014)、『幸せのメカニズム―実践・幸福学入門』(講談社現代新書、2013)、『幸せの日本論―日本人という謎を解く』(角川新書、2015)
 講演者略歴
前野 隆司氏
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科委員長・教授
1984年3月東工大卒 、1986年3月東工大修士課程修了、1993年12月博士(工学)学位取得。
1986年4月キヤノン(株)、1990年7月~1992年6月カリフォルニア大学バークレー校客員研究員、2001年4月~9月ハーバード大学客員教授、2006年4月慶應義塾大学理工学部教授等を経て2011年4月~現職。
研究テーマは、ヒューマンマシンインタフェースからシステムデザイン・マネジメント学、幸福学。
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